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日本ではまだ続いている「紙の時代」

みなさんこんにちは。

仕事がら僕は海外の金融機関などとやり取りすることが多いのですが、
最近のネット化には驚かされます。

たとえば先日もアメリカのオークションに出品を依頼したのですが、
その際の契約の進め方にはビックリしました。

せいぜい契約書をPDFでやり取りするイメージしかなかったのですが、
契約の締結はサインも含めすべてネットで完了です。

契約書が送られてきてから、マウスでサインしておしまいです。
時間にしてせいぜい2-3分だったでしょうか。

セキュリティーもしっかりとしており、
外部に漏洩することもありません。

紙の時代なら、
契約書が送られてくる⇒記入とサイン⇒契約書を郵送
という流れで、おそらくこの間半月ほどかかっていたと思います。

ネット時代になって、
契約書がネット送られてくる⇒プリント⇒記入とサイン
⇒スキャンしてPDFで返送
になりました、劇的に作業は早くなりましたが、
それでも30分ほどは掛かっていました。

それが最近のネット契約では
契約書が送られてくる⇒ネット署名
で上記のようにせいぜい2-3分しかかかりません。

海外の金融機関と取引のある方なら実感されていると思いますが、
一事が万事、契約に限らず、申し込みや閲覧など、ここ年ほどで
驚くほど速くになりました。

それと対照的なのは日本です。

日本でもネット上の契約を提供するサービスがありますが、
金融機関がそのシステムを導入するまで、
きっと何年もかかるに違いありません。

僕(というか当社は)、創業以来あるメガバンクの法人口座を使っていますが、
そのシステムではネット上で過去の「入出金一覧」すら見れません。

電話で聞くと申請書を出せば閲覧可能だそうですが、
まずネットで様式をダウンロードして記入し、
さらにその書面を取引支店に郵送もしくは持参しなくてはなりません。

つまり上の発展段階でいえば、
いまだに2世代前の「紙の時代」のまんまです。

聞いただけで相当な面倒と時間がかかることが想像でき、
僕はいまだに定期的に通帳をATMに入れて記帳しています。

一事が万事です。

おカネのながれは人体に例えると血管のようなもので、
この流れが詰まると体力が衰えて老化が進みます。

この処理速度の差は金融機関同士の競争力の差にとどまらず、
日本と欧米の生産性の格差をさらに広げることになるでしょう。

すでに過去30年にもわたって、
日本人のお給料はほとんどふえていませんし、
その原因は生産性が停滞しているからだと言われてきました。

上の例のような一つ一つの余計な時間の積み上げが、
私たち日本人の生産性向上を邪魔しているのではないでしょうか。

そしてさらに悪いことに、
欧米との生産性の差はますます広がりそうな気配です。

ハンコ、書面、対面、手渡し、本人確認・・
もう何世代も前から延々と続いてきた慣習です、
全部不要だとは言いませんが、
おそらく90%以上はネット化によって省略できると思います。

 

では今回はこのへんで。

(2022年12月9日)




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