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中央銀行が金を買う時代

みなさんこんにちは。

なんでも世界の中央銀行は、
大量に金を買っているそうです。

昨日(2023年2月1日)付けの日本経済新聞によると、
昨年、世界の中央銀行による金の買い越し額は1135トンで、
これはちゃんとデータがとれる1967年以来の水準だそうです。

購入量を増やしたのは、中国、トルコ、インド、カタールなどの新興国が
中心ですが、これおそらくウクライナ侵攻の結果、実施された、
「対ロシア経済制裁」への対応の意味があると思います。

ロシアが上位に入っていないのは、
自国で採れる金を外貨準備として積んでいるからだと、
この記事では書かれています。

いずれにしても金の保有を増やした国には権威主義的な国が多く、
その点から考えて、中銀の金ガイの理由の一つが経済制裁への備えである
ことは間違いないでしょう。

でも果たしてそれだけでしょうか。

もう一つの理由は、
基軸通貨であるドルに対する不信だと思います。

アメリカは自ら「すでに世界の警察官ではない」と宣言しましたが、
であれば「すでにドルは基軸通貨でない」と見られても仕方ないでしょう。

ではもしドル一極体制が終わった場合、
はたしてそれに代わる通貨はあるでしょうか。

さらにリーマン・ショック以降、世界の中央銀行は大量のお札をバラマキましたから、
ドルだけではなく紙のおカネ(「ペーパーアセット」)全体への信頼感も薄まる一方です。

そんな経済の混乱期において、
絶対的な価値をもち、かつ無国籍な通貨的性格を持った金が好まれるのは、
あるいみで自然な流れだと思います。

ご参考までに、さきほどの日本経済新聞から引用すると、
ポーランドの中央銀行は、金購入の理由を以下のように説明しているそうです。

「金はどの国の経済にも直結せず、世界の金融市場の混乱に耐える」

ポーランド中央銀行が、世界経済に与える影響は微々たるものですが、
それでも公的な性格を持った中央銀行から、このような発言が出てくるのには驚きです。

もしアメリカの中央銀行FRBがこんな説明をすれば、
世界経済は大混乱するでしょう。

 

では今回はこのへんで。

(2023年2月2日)




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