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デジタル通貨時代の金

みなさんこんにちは。

金はホントに不思議な金属だと思います。

スマホなど電子機器の中にも入っていますが、
金の用途のうち産業で利用されている割合は10%ほどにすぎません。

言い換えるとほかの90%は産業で利用されていないことになります、
つまり私たちが生きてゆくためには、あってもなくてもよい、
いわば大して役に立たない金属だということです。

にもかかわらず、私たちの金に対する執着は、
中途半端ではありません。

歴史を振り返れば、
私たちは金をめぐって殺しあったこともありますし、
そうでなくてもたびたび争いの元凶にもなってきました。

近いところではインドの結婚式などで、花嫁に金のネックレスや
ブレスレットなどを持たせる光景を目にしますし、
プロ野球の選手の多くは、ぶっとい金のネックレスを
ジャラジャラさせていたりもします。

古代の人たちも同様の嗜好を持っていたようで、
権力者の墓などから金の装飾品が出てきたりもします。

金という金属の、いったい何が私たちをこれほど
ひきつけるのでしょうか。

劣化しにくく産出量が少ない、
お札のように時の政府や権力者によって野放図に刷られることもない、
それでいてずっしりとした存在感があり美しい。

金が持つこのような特徴からでしょうか。

銀も悪くはありませんが、
日本の石見や南米ポトシで見つかった鉱山のように、
歴史のなかで突如として銀が大量に出てくることもあり、
希薄化の心配がつきまといます。

美観的にも金と違って表面が黒っぽくなってしまうことも多く、
美術品や宝飾品としてはイマイチなところもあります。

銀ですらこのような欠点がありますが、
ほかの金属、たとえば銅や鉄などは金の代わりになりようがありません。

このように私たちの先祖がアレコレ金属を試し、
最後に行きついた金属、
とくに資産の保全や継承に適した金属が金だったのでしょう。

人間が本格的に金を貨幣として使い始めたのは、
今のトルコにあったリュディアという国で、
紀元前600-500年あたりに世界初の金貨が作られたといわれています。

そこから計算すると2500年以上、
私たちは金という金属を、モノの交換手段として、
また資産の保全・継承手段として使い続けてきたわけです。

2500年もの間、私たちが飽きもせずに金を使い続けたのは、
よほど金という金属の使い勝手が良かったからに違いありません。

ではこれからのデジタル社会ではどうなるのでしょう。

一つの見方は、通貨はすべてデジタル化され、
もはや金の出番はなくなるという可能性です。

この場合、金の価格は下がるでしょう。

でも僕はこの可能性は低いと思います、
通貨がデジタル化されるところまでは間違いないと思いますが、
そのデジタル通貨の発行量を調整するのは、
相変わらず中央銀行であり政府です。

つまり今のお札がデジタルになるだけです。

容易に管理できる点があだになり、
かえって通貨の発行量を増えてしまう可能性すらあると思います。

通貨がデジタル化された後も、
デジタル通貨がもつこのような欠点から、私たちの金に対する信頼性は揺るがない
ばかりか、かえってその信頼性が高まるという可能性もあるでしょう。

振り返れば僕がこの商売を始めた頃、
金1キロのバーの価格は150万円ほどでした。

それが今では1000万円です。

これはこの間、中央銀行が紙幣を発行しすぎた結果だと思います、
中央銀行のこのスタンスが変わらない限り、
紙幣がデジタル化しても金と通貨の関係に変化はないはずです。

 

では今回はこのへんで。

(2023年7月5日)




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