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日々の不安から解放されるために

みなさんこんにちは。

僕はこの商売を始めて18年以上になります、
振り返れば随分と長くやってきたものです。

この18年でいろんな出来事がありました、
日本の金融不安にリーマン・ショック、東日本大震災に、
欧州債務危機、そしてコロナ・ショック・・・

こんな激動の過去を振り返りますと、
つくづく資産運用は短距離走ではなく、
マラソンだということがわかります。

そういえば今年に入ってからだけででも、
いろんなことが起きました。

たとえばアメリカの債務上限問題です、
日本と違ってアメリカは法律で債務の上限額が決まっています。

でも経済の規模は年々大きくなりますから、
政府の債務は必然的に数年を経ず上限に達してしまいます。

債務の上限を上げるには、
議会の決議を経なければなりませんが、
これが毎度毎度政争の道具にされて、
「あわや」という場面が訪れることになります。

アメリカの財政が万一破綻すれば、
同国の国債を保有している人は大変です、
「そんなこと起こりえない」と理屈で分かっていても、
頭の中でその「万一」のほうが肥大化し、
いてもたってもいられなくなる人も中にはいるものです。

その重圧に耐えきれず、
もっている米国債を売ってしまう人も実際にいらっしゃいます。

これはホンの一例で、過去そうであったように、
これからもいろんなことが起きるでしょう。

日本の財政破綻はもっと現実的な不安ですし、
なかには来年の新紙幣への切り替えを期に、
政府が旧紙幣を利用停止にするんじゃないかと
真剣に考えている人もいます。

首都圏直下型地震への心配から不動産を買えない人もいます、
でも大阪や名古屋なら大丈夫かといえばそうでもありません。

そもそも日本列島は4つのプレートの交差点上にありますし、
日本中あちこちに活断層もあります。

ここのところ日本株は下げ気味ですが、
逆にひと月ほど前はそれこそ連日の「33年ぶり」でした。

この株高がかえって不安を誘うようで、
高所恐怖症から持ち株を売りたいという誘惑に勝てなかった人もいます。

このような不安から逃れたくて、
金(Gold)やコインにすべての資産を移したいとお考えの方もいますが、
それはそれでまた別の不安を誘発します。

金は値動きが結構ありますから、
資産の大半を金に移してしまうと、その瞬間から
「高値掴みしたんじゃないか」と不安になってしまいます。

その点コインは安心ですが、
売買が面倒で手数料もかさみます。

こんな風にあれこれ考えた結果、
どれもこれも投資するのが不安になり、
結局、円の現預金のまま置いておく人も珍しくはありません。

でも忘れてはいけません。

現預金も、株や債券と同じく金融商品です、
ほかのあらゆる資産と同様、
特有のリスクがあるのは皆さんご存じのとおりです。

このように考えてまいりますと、
現預金を含むすべての金融資産は、
日々それぞれ固有のリスクにさらされていることがよくわかります。

特に富裕層に属する人にとってこの現実は深刻です。

なぜなら運用に成功してお金が増えれば増えるほど、
深い悩みを抱えこむことになるからです。

果たして私たちは、
この不安から逃れられないのでしょうか。

僕は「逃れられる」と思います。

解決策の一つは質的な分散です。

「質的な分散」というのは、
株や債券といった紙の資産(「ペーパーアセット」)の中での分散にとどめず、
貴金属、コイン、不動産といったように質的に距離が離れた資産への分散です。

質的に距離がある資産は内在するリスクにも距離があります。

したがって同時に下げてしまうという、
悪いシナリオはめったなことでは起きません。

そればかりかペーパーアセットと現物資産はシーソーのように、
片側の下落を反対側がカバーする性格を持っているものです、
代表例は「円のお札の価値低下⇒コインの価格上昇」です。

特に富裕層に属する方にとって、
この「シーソー理論」は安心材料になるはずです。

「不安から逃れる」ための二つ目の解決策は、
こころの持ちようです。

普段から上記のような質的分散を実践しておけば、
たとえ資産のある部分がおおやられしても、
資産のすべてを失うことはありません。

そればかりか先ほどのシーソー理論のように、
たとえショックに見舞われても案外と均衡を保てる可能性もあります。

富裕層に属する人にとって、
この事実は重要です。

起こりえるリスクをあらかじめ織り込んでさえいれば、
目先起きる現象に一喜一憂する必要はありません、
かっこよく言えばこれが「戦略的ポートフォリオ」というヤツです。

そして私たちは「織り込み済みが起きただけ」という心の持ちようによって、
日々顕在化するリスクへの不安から解放されることになるでしょう。

 

では今回はこのへんで。

(2023年7月12日)




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