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株は下がらない-実践編

みなさんこんにちは。

「株は下がらない」、
先週はこの理由について説明させていただきました。

今回は「株価というものが下がらないなら、
どのような投資手法が最も有効なのか、」

この点について実践的に説明させていただきます。

前回申し上げたように、たとえ「株は下がらない」としても、
いくつかの点には注意が必要です。

まず一つ目です。

株が下がらないのは、すべての会社を一つの集合体としてみた場合であり、
個々の会社には浮き沈みがつきもので、場合によっては価値がゼロに
なることもあります。

この問題を避けたければ、
個別の銘柄ではなく、たとえばAという国やBという国のインデックスというように、
より大きな集合体をドンブリにいれた投資を行うべきです。

さらにA国やB国といった個別の国のリスクも取りたくなければ、
「世界株インデックス」に投資する方法もアリです。

このようにより広い範囲の株を、
いわば投網に掛ける要領で投資することにより、
わたしたちは「株は下がらない」という効果を、
より得やすくなるといえるでしょう。

もう一つ注意していただきたいのは時間軸の問題です。

例えばアメリカを代表するインデックスに、
NYダウ株価指数という指数があります。

このNYダウは長期の記録が残されており、
過去を振り返るのに大変便利です。

そのNYダウの過去100年間を振り返りますと、
基本的には「株は下がらない」の言葉にたがわず右肩上がりですが、
それでも過去何度か大きな下落を経験しています。

たとえば1929年からの世界恐慌です。

NYダウは1929年に386.1ドルの高値を付けましたが、
世界恐慌の影響で暴落しました、恐慌前の高値を奪還したのは、
ようやく1953年です。

これは極端な例ですが、ほかにも長期下落を何度か経験しています、

・1987年ブラックマンデー ⇒高値奪回は1989年
・2000年ITバブル崩壊 ⇒高値奪回は2006年
・2007年サブプライム・ショック ⇒高値奪回は2013年

いくら「株は下がらない」といっても、
世界恐慌のときのように回復まで24年もかかるのではたまりません。

このような時間軸の問題以外に値下がり率にも注意が必要です、
記憶に新しいところでは、リーマン・ショックが起きた2007年から2009年にかけ、
NYダウは最大で54%ほども下げました。

いくら「株は下がらない」という強い信念を持っていても、
「ホンマかいな?」と多くの人は手放してしまったのではないでしょうか。

ここまで見てきたように、「株は下がらない」という言葉は、
過去のデータからも裏付けられているものの、
それは広範囲の国や地域の株をまとめて投資した場合のお話です。

またかりにアメリカ株や世界株といったように、
より広範囲の株の集まりに投資した場合ですら、
5年から6年、場合によっては20年前後も過去の最高値を奪回できなかった
こともあるのです。

つまり、いくら広範囲の株に分散しようが、
いくら長期で投資をしようが、
「株は下がってしまう」こともあるのです。

ではこの問題点を避ける投資手法はあるのでしょうか。

答えは「ある」で、
それは株価インデックスへの積み立て投資です。

積み立て投資の効果はよく言われるように、
まずは時間軸を分散できる点です。

このメルマガをお読みの方はご存じだと思いますが、
例えば毎月一定額を積み立てることによって、
買い付けの単価をならすことができます。

そしてもし「株が上がり続ける」とするならば、
短期的に上げ下げしながらも、いずれ持っている株価の価値は、
買い付けた株の平均単価を上回ることになります。

あまり話題にされることはありませんが、
積立の効果はもう一つあります。

それは自分の判断や好みを排除し、
強制的に買い続けることができる点です。

上でお話ししたように、「株は上がり続ける」とわかっていても、
たとえば世界恐慌時のように、高値奪回に24年もかかればどうでしょう、
よほど精神の強固な人でない限り買い続けるなんてできません。

積み立て投資には「投資に強制力を持たせる」という、
もう一つの効果があるのです。

来年から「積み立てNISA」の枠が拡大し、
ようやく利用できる段階に入ったといえるでしょう、
この制度を使うことにより、積み立て投資が持っている

・時間軸の分散効果
・自分の判断や好みを排除できる効果

という上記2つの効果に加え、
非課税という効果が加わることになります。

「株価が上がり続ける」のなら、
積立NISAを使わない手はありません。

ただし積立投資がどんな人にでも、
どんな時期でも効果があるかといえば、
そこが投資の難しいところで、いくつかの問題点もあります。

その点については次回お話ししたいと思います。

 

では今回はこのへんで。

(2023年8月25日)




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