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積立投資の問題点

みなさんこんにちは。

暑いですね・・・、
今年は身にしみて暑いです。

さて先週は積立投資のいいところについて、
いくつかお話ししました。

具体的には

・時間軸の分散効果
・自分の判断や好みを排除できる効果

の2点です、
さらに新NISAの積み立て枠を使えば

・売却時の税金が非課税になる

という素晴らしい特典がありますので、
これはもう日本国民挙げて大いに活用すべきだと思います。

でも一方で積立投資にも問題点が2つあります。

一つ目は残された期間です、
若い人なら向こう30年、40年というように長い期間にわたって
積立できますが、僕のように残された時間が短くなってきますと、
積立の効果を十分得ることはできません。

積立のもう一つの問題点は、
「ほったらかし」で済んでしまうという点です。

この「ほったらかし」には良いところと悪いところがあります。

特に経済や金融の知識がなくても、
たとえば世界株インデックスやアメリカ株インデックスのように、
広範囲な株をカバーするインデックス・ファンドに月掛けで積み立てればどうでしょう。

前々回のメルマガのように、もし「株というものが上がり続けるのなら」
皆さんは積立投資に身を任せておけば、自動的に資産を増やすことが
できます。

これはあるいみ「ほったらかし」で済んでしまうということです。

でも逆に「ほったらかしで済んでしまう」ことが、
将来かえって問題を招くこともあります。

たとえば今40歳の方人が毎月20万円ずつ積み立ててゆくとしましょうか、
1年後には元本ベースで240万円です、10年続ければ2400万円、
30年後、70歳になるころには元本だけで7200万円です。

これに運用益が加わりますから、
その時点で1億円を超えているかもしれません。

はたして70歳になったあなたが、
1億円に増えたおカネとうまく付き合ってゆけるでしょうか。

しかも口座の中身は世界株やアメリカ株インデックスのように、
かなり高いリスクを持ったファンドが中心になっていることでしょう。

「テキトーに高いところで預貯金に変えたらいいじゃないか」といわれるかもですが、
いままで「ほったらかし」てきただけに、いったいいつ売ればいいのか、
どの程度の部分を売ればいいのかわからないはずです。

あるいは「少しずつ取り崩して生活費に充当したらいいじゃないか」と
言われるかもしれませんが、たとえば毎月20万円ずつ取り崩したとしても、
一年あたり240万円にしかなりません。

10年後ですら口座の中には7000万円ほどのインデクスファンドがあり、
これらを日々激しい値動きにさらしておかなければなりません。

リーマン・ショックの年は世界の株価は半値ほどになりましたし、
過去を振り返ればITバブル崩壊やブラック・マンデーのように、
激しく株価が下がったこともあります。

はたして皆さんはこの激しい値動きに耐えられるでしょうか?

テキトーなところで徐々に換金したり、値動きが小さな債券に移したり、
あるいはそれらを含めてより安定的なポートフォリオを作ったり・・・、

これが資産運用の王道ではありますが、
ここまでの30年間ほったらかしていただけに、
残念ながら皆さんには金融の知識がほとんどないはずです。

いま政府は「預貯金から投資」に国民を誘導しようとしています、
これは僕も大変良いことだと思います。

その一つの具体策が新NISAではありますが、
注意深く世の中をみれば、積立に成功したあと、
たとえば30年先のことが語られることはありません。

「まずは積立によって資産形成をさせておけば、
いやがうえにも国民は自発的に金融知識を身につけざるをえないだろう」

もしかしたらこんな風に考えているのかもですが、
そうだとしたら官僚にもなかなかの策士がいるのかもしれません。

ちょっと話が脇にそれました、

以上のことから積立投資をするからといって、
私たちは金融や経済に対して無頓着でいるべきでないことがわかります。

その意味で積立投資は決して「ほったらかし」投資ではないのです。

 

では今回はこのへんで。

(2023年9月1日)




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