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日本をたたいて中国に乗っ取られる

みなさんこんにちは。

世界の自動車市場を見渡しますと、
いまのところ日本勢、
なかでもトヨタはすごく頑張っていると思います。

でも過去を振り返ると「いつか来た道」で、
かつての半導体と同じ道をたどりつつあるのかもしれません。

いまでもトヨタは世界最強の自動車メーカーですし、
世界に先駆けて投入したハイブリッド車(以下HV)でも、
ほぼ独占的な市場を作りました。

僕の記憶では3年ほど前だったと思います、
ヨーロッパとアメリカが徐々にガソリン車の規制をはじめ、
ヨーロッパでは2035年に販売を禁止を決めましたし、
アメリカでも州によっては同様の規制を決めました。

もちろん環境への配慮という側面もあったと思いますが、
欧米人、特にヨーロッパは自分たちに都合の良いルールを作るのが大得意です。

上のガソリン車規制も同様で、
あきらかにHVで先行する日本車たたきの側面が大きかったと思います。

かつて1980年代に、日本が半導体でたたかれたのと同じ構図です。

今のとところ、なんとかトヨタや日産は頑張っていますが、
向こう数年で世界が電気自動車(以下EV)一色になってしまえばどうでしょう。

半導体の二の舞にならないか僕は心配ですし、
その兆候はすでに見られます。

中国のEVメーカーであるBYDはアジアやヨーロッパへ進出を始めましたし、
日本でも販売網の整備を始めているのは、
皆さんテレビや新聞などCMをご覧のとおりです。

BYDといえば中国の安価なクルマメーカーのイメージしかありませんが、
すでにそれは過去のお話です。

BYDはすでにEV時代を見据え、
世界に布石を打っているといえるでしょう。

そもそもヨーロッパがガソリン車やHVへの規制を決めた最大の理由は、
「日本車たたき」だと僕は思いますが、日本車をたたいてトクをしたのは、
BMWやベンツではなく中国メーカーのBYDだったというオチです。

この予想外の展開に慌てたのはヨーロッパです。

すでにEUは反撃に転じ、
たとえば中国政府による自国のEVメーカーへの補助金を問題視し、
調査開始を表明しています(2023年9月)。

関税は一定の効果はあると思いますが、
それが根本的な解決になるとは思えません。

ヨーロッパ、とくにドイツは日本と同じでモノ作りが得意です、
EVがメカじゃないとは言いませんが、それでもエンジンに比べると、
EVの心臓部であるバッテリーは、
さほど技術的な蓄積はいらないように思います。

この根本的な構図があるかぎり、
クルマも半導体や太陽電池、風力発電などと同じで、
いずれ中国に根こそぎもっていかれることになるでしょう。

つまりヨーロッパは日本をたたこうとして、
中国というもっと厄介な競合相手を呼び込んでしまったということです。

 

では今回はこのへんで。

(2023年11月24日)




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